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ドイツ車よ、今にみちょれ

 

ひたすらに熱い

MAZDAへの「熱い」想いが薄くなっているファンも増えているのを見越してか、伝説のエンジニア・金井誠太氏が登場して「第5世代の真実」を語っています。第6世代の幕引きのタイミングで「ZOOM-ZOOM」の奇跡を語るとは、なんとも計算高い感じがプンプンしているけども、とりあえず金井さんの認識ベースでどの時点でMAZDAがドイツメーカーを抜き去ったかを教えてくれる。だいたいこの時期に一気に行ってやった!!という自負が読み取れる。もうそれだけでもMAZDAファンにとっては読む価値がある。

 

 

水野の言いたい放題に反論?

ベストカーでディレクター注文通りにレビューして小銭を稼いでいる元日産の開発者に対する「金井の反論」なのかもしれない。MAZDA車レビューの時は「広島のメーカーが頑張っているね」みたいな感じ悪いエールを送ってくる水野のオッサンに何か言いたいらしい。簡単に言ってしまえば、「ドイツでドイツ車よりも売れるクルマを作ってみろ!!」と中指を突き立てている。

 

 

変人オーラは水野氏を超えている!?

とりあえず頑固さ、気難しさなら金井さんが圧勝してるんじゃないだろうか。金井さんがベストカーで連載を持つなんてことはないだろう。プライドが許さないはず。どちらも日本を代表する名車を作った伝説的なエンジニアですけど、メディアを通じて発信しているコメントを読んでみても全く違うキャラクターなのがわかる!?どちらも変人であることは間違いない。そしてこの二人に対談させたら、ほんの数分で殴り合いを初めて、喧嘩別れしそうな感じが・・・。

 

 

水野キャリアは完璧!?

水野さんのコメントはいちいち「日産が本気出せば、どこのドイツメーカーにも負けない」という自信に溢れている。メルセデス、BMW、ポルシェに対し上から目線な発言を繰り返していて、スカGやGT-Rを作ってきたエンジニアゆえにギリギリ許される発言なんだろうけど、991世代のポルシェに乗って「だいぶよくなったね」とか・・・まるでMAZDAの副社長みたいな放胆ぶりだ。

 

 

GT-Rとは天才水野ゆえの属人的な設計

GT-Rの開発に関わる予算を半分にカットすることから全てが始まったと著書に書いている。もちろん日産が持っている技術的バックボーンの土台があっての話であるので、単純にドイツメーカーの半分の予算というわけではないのだろうけど、販売価格を半額程度に抑えたのは事実。それでもポルシェ、AMG、BMWを全く寄せ付けない驚愕のクルマに仕上がった。ニュル北のレコードを取られ顔面に泥を塗られた格好のポルシェが911ターボで追撃するも販売価格は軽く2000万円を超えている。

 

 

ドイツ人より優秀!?

もし水野さん自身がポルシェのエンジニアとして911シリーズの開発を手がけたらもっととんでもないものができますよ!!と言いたいのは、どの著書を読んでも伝わってくる。非常によく練りこまれたエンジニアのサクセスストーリーなので、素人が読んだところでとりあえずまともな反論など浮かばない。まあドイツ人に言わせれば「日産の技術が使える時点で反則」ってことなんだろうけど・・・(つまりポルシェで活躍する保証はない)。

 

 

 

水野は厨二、金井はヤクザ

水野さんと大きく違って金井さんは自己主張を好まない。GGアテンザの世界的な成功は、現在までMAZDAを存続させる原動力になったし、金井さんをMAZDA会長に就任させるほど社内でも破格の功績が認められている。それでも金井さんは「MAZDAの総合力」を強調する。自分は何もしていない。MAZDAのポテンシャルを冷静に見つめていて、ドイツメーカーとの実力差もそれないにわかっていたから「超一流」で「世界一」という目標を掲げただけだと言っている。

 

 

フォードを殴り飛ばす

そしてシャシー&足回りのエンジニアとして、絶対にドイツ車に走り負けない基本設計を提案し、それを貫くためにフォードから派遣されている役員を説き伏せた、組織(MAZDA)が輝きを取り戻すためならどんなことでもやる!!という任侠魂でアメリカ人の役員に、フォード、ボルボ、ジャガー、アストンマーティン、ランドローバーがメルセデスやBMWに勝てるのか!?グループ内で唯一チャンスがあるのはMAZDAだけだろ!?・・・かっこいいですね。実際にMAZDAが離脱した後のフォード終焉は早かった・・・。

 

 

欧州市場で勝つことに意味がある

ドイツメーカーを完膚なきまでに叩きのめした水野さんの作品もすごいですけど、金井さんのGGアテンザもドイツメーカーに与えた衝撃はGT-R以上だったと思われる。金井アテンザから始まる第5世代MAZDAは、何の苦労もなく欧州市場でシェアを積み上げた。そりゃロータリーエンジンを実用化させている日本の一風変わったメーカーがスポーティな乗用車を出せば、そこそこの大騒ぎにはなるというアドバンテージはあった。

 

 

勝ったから今のMAZDAがある

さらに同時期のトヨタ、ホンダ、メルセデス、BMWは出来損ないが多く評判が良くなかったという幸運もあったにせよ、本当に良いクルマでなければ実際にDセグのMAZDA6が、3シリーズを超える年間20万台以上の販売なんてそうそうできるものではない。しかもドイツ市場で人気に火がついたってのがすごい。金井さんが言った通りに「超一流」のクルマができた。

 

 

第5世代MAZDAを語れない日本のカーメディア

第5世代に続き第6世代でも異常なペースでヒット車を生み続けるMAZDAの勢いは今や誰もが認めるところだけども、日本のカーメディアが情けないのは、まともにMAZDA第5世代の評価ができている人がほとんどいないということ。MAZDAに乗って色々なメーカーに試乗に行きましたけども、人気の輸入ブランドはどれもダメだと感じました。メルセデスはアクセルフィールがトヨタみたいに薄っぺらい。BMWはブレーキが効かない。MINIはパワーがタイヤに伝わらない。VWは全ての操作フィールが「MAZDAの薄味バージョン」。スバル?ホンダ?・・・あれは別の世界のクルマ!?

 

 

金井アテンザとはミニフェラーリだ!!

ショートストロークユニットにハイスペックなサスペンションを備えていて、狙いは単純明解な「ミニフェラーリ」だ。すごくシンプルな理想を追求しただけだが、見事に超一流になった。そんな金井アテンザのアイディアは、残念ながらGGとGHで終焉している。現行のGJアテンザは全く別のアイディアによって作られていて、欧州や中国の熱烈な支持は失ってしまったようだが、MAZDAのブランドを底上げする意味では良い企画だったと思う。

 

 

この本は何を予告しているのか!?

第7世代が始まるタイミングで金井さんに語らせるMAZDA本が発売された。金井アテンザに心酔し、現行MAZDAに背を向けた「本質」を見抜く力のあるMAZDAファンへの懸命のメッセージだろうか!?2022年?アテンザ誕生20周年に「金井アテンザ」の偉業を改めて讃えるとともに、その奇跡を再び蘇らせる新しいスポーツセダンが出てくるってことでいいのかなー!?